先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)の開催を機に、性的少数者の権利擁護に対する関心が高まっている。性的指向や性自認に関する議論は多岐にわたるが、大きな論点の一つが「同性婚」の法制化だ。共同通信が3~4月、全国の3千人を対象に実施した世論調査では、71%が「同性婚を認める方がよい」と回答。「認めない方がよい」の26%を大きく上回った。 一方、今年2月には岸田文雄首相の秘書官を務めていた荒井勝喜氏が「(同性カップルが)隣に住んでいたら嫌だ。見るのも嫌だ」などと発言し、国会でも大きな問題となった。首相はその後、荒井氏を更迭した上で「不快な思いをさせてしまった方々におわび申し上げる」と陳謝したが、首相のスピーチ作成も担う最側近の一言は、官邸と世論の乖離を浮き彫りにした。
なぜ、高い人権意識が求められる政府官僚からこうした差別発言が飛び出すのか。また実際のところ、同性カップルは地域コミュニティーの中でどのように暮らしているのか。当事者の声や研究データから、その実情を取材した。
隣人が同性カップルだと、なぜ嫌なの?
「生きづらさ」強いる元首相秘書官の差別発言、
G7サミットを機に本当に理解は進むのか
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