■サムネ画像は:映画「海の沈黙」©2024 映画『海の沈黙』INUP CO.,LTD
■産経新聞の映画担当記者が試写会で見た4作品をレビューします。
■「海の沈黙」
脚本家の倉本聰が長年温めてきたという、「美とはなにか」を問う物語。世界的な画家、田村(石坂浩二)は展覧会で展示された自作が贋作と気づき、ある事件で姿を消した天才画家、竜次(本木雅弘)の存在が浮かび上がる。竜次のかつての恋人であり、今は田村の妻である安奈(小泉今日子)は、彼を追い北海道へと向かう…。
■「六人の噓つきな大学生」
同名小説を「名も無き世界のエンドロール」などの佐藤祐市監督が映画化。就職試験の最終選考に残った6人の大学生は友情を温め合うが、課された最終審査は「自分たちで合格者を選べ」。そして彼らは、会議室という密室で6通の怪しい封筒を見つける。そこには、各人の噓と罪が記されていた。
■「ふたりで終わらせる IT ENDS WITH US」
世界的なベストセラー小説を、俳優のジャスティン・バルドーニがメガホンをとって映画化。バルドーニは主人公の相手役という重要な役で出演もしている。原作は恋愛小説をうたうが、作家の半自伝的な内容で家族やパートナーからの暴力を扱う。映画も、それらの主題に正面から誠実に取り組んだ。
■「チネチッタで会いましょう」
時代の変化についていけず、仕事も家庭もうまくいかない映画監督の姿をコメディータッチで描く。ナンニ・モレッティ監督が、自身の集大成として製作、主演も務めた。あらゆる場面にフェデリコ・フェリーニ監督作品など過去の名作や自作の引用が散りばめられ、映画愛に満ちた作品。
■ナビゲーター 德重翠(木村きょうや声優・ナレータープロ養成塾)
■「シネマプレビュー」では、産経新聞文化部の映画担当記者が試写を見た感想を率直にレビューします。メジャーな作品から、上映館数の少ない玄人好みの作品まで、幅広くセレクト。単館上映の作品は観るのをためらいがちですが、記者による踏み込んだ感想で「観に行きたくなる」こと必至。新聞社としての信頼と自信を持って魅力をお伝えします。
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