「陰陽師0」「マリウポリの20日間」「辰巳」「リバウンド」
■サムネ画像は:「陰陽師0」©2024映画「陰陽師0」製作委員会 ■産経新聞の映画担当記者が試写会で見た4作品をレビューします。 ■「陰陽師0」 平安時代の陰陽師、安倍晴明を主人公とした夢枕獏の小説シリーズを原作に、晴明の〝学生時代〟を描くオリジナルストーリーのアクション大作。佐藤嗣麻子監督が脚本も手がけた。晴明は山﨑賢人。「キングダム」シリーズを筆頭に「ゴールデンカムイ」や配信ドラマ「今際の国のアリス」など、ともかく大作の主役を片っぱしから演じているが、クールな晴明を既視感なく見せて見事だ‥ ■「マリウポリの20日間」 2022年2月、ロシアに侵攻されたウクライナ東部の都市、マリ…
「異人たち」「プリシラ」「No.10」「ザ・タワー」
■サムネ画像は:映画「プリシラ」©The Apartment S.r.l All Rights Reserved 2023 ■産経新聞の映画担当記者が試写会で見た4作品をレビューします。 ■「異人たち」 原作は山本周五郎賞を受賞した山田太一の小説「異人たちとの夏」で、昭和63年に大林宣彦監督が映画化。本作は再映画化となるが、監督・脚本を手掛けたアンドリュー・ヘイが現代の英国に舞台を移し、大胆に脚色している。ロンドンのタワーマンション。ほとんどの部屋が事務所として使われているのか、夜になると人の気配が消える。ここに一人で暮らす40代のゲイの脚本家、アダム(アンドリュー・スコット)は、同じマ…
「アイアンクロー」「パスト ライブス/再会」「インフィニティ・プール」「リトル・エッラ」
■サムネ画像は:映画「リトル・エッラ」© 2022 Snowcloud Films AB & Filmbin AS ■産経新聞の映画担当記者が試写会で見た4作品をレビューします。 ■「アイアンクロー」 強力な握力で対戦相手の顔面を締め上げる必殺技「アイアンクロー(鉄の爪)」を生み出し、一世を風靡した米国のレスラー、フリッツ・フォン・エリック(1929~97年)。本作はフリッツとレスラーとなった4人の息子たちの栄光と挫折を、真実に基づき描いた。フォン・エリック家は長男を幼い頃に亡くすなど悲劇に度々見舞われ、「スポーツ界のケネディ家」と呼ばれてきた。一体、何があったのか。 ■「パス…
「オッペンハイマー」「ゴーストバスターズ/フローズン・サマー」「美と殺戮のすべて」「ゴッドランド/GODLAND」
■サムネ画像は:映画「オッペンハイマー」© Universal Pictures. All Rights Reserved. ■産経新聞の映画担当記者が試写会で見た4作品をレビューします。 ■「オッペンハイマー」 第二次世界大戦下、世界初となる原子爆弾の開発を成功させ、〝原爆の父〟と呼ばれたロバート・オッペンハイマー(1904~67年)の人間像を描く。被爆地、広島や長崎の惨状が描かれていないなどの批判もあり、日本公開がなかなか決まらなかった。 確かに原爆の惨状は直接描かれていない。しかし劇中、オッペンハイマーが、歓喜に沸く米国人の顔の肉が核爆発で剝がれていくという幻影をみるシーンが登場す…
「コール・ジェーン-女性たちの秘密の電話-」「ペナルティループ」「四月になれば彼女は」「映画おしりたんてい さらば愛しき相棒(おしり)よ」
■サムネ画像は:映画「四月になれば彼女は」ⓒ2024「四月になれば彼女は」製作委員会 ■産経新聞の映画担当記者が試写会で見た4作品をレビューします。 ■「コール・ジェーン-女性たちの秘密の電話-」 中絶の権利が認められていなかった1968年の米シカゴで、妊娠が心臓病を悪化させると診断された弁護士の妻、ジョイ(エリザベス・バンクス)が、非合法に中絶を手助けする団体「ジェーン」と出合う。地味といえば地味な映画だが、ここで描かれる女性の連帯、シスターフッドは、現代の日本でも大きな意味を持つのではないかと気づいたので紹介したい... ■「ペナルティループ」 SFの一種で、繰り返す時間の中に閉じ…
「FLY!/フライ!」「デューン 砂の惑星PART2」「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」「ビニールハウス」
■サムネ画像は:映画「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」©若松プロダクション ■産経新聞の映画担当記者が試写会で見た4作品をレビューします。 ■「FLY!/フライ!」 米国のアニメーション制作会社「イルミネーション・エンターテインメント」といえば、「ミニオンズ」「怪盗グルー」などのオリジナル作品や「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」で大ヒットを飛ばしてきた。 同社の最新作は、渡り鳥なのに一度も〝渡り〟をしたことがないカモ一家が、大都会ニューヨーク、そしてカリブ海のジャマイカを目指す冒険譚だ‥ ■「デューン 砂の惑星PART2」 帝国、血族、特殊な力、宇宙戦争…。「スター・…
「マイホームヒーロー」「ゴールド・ボーイ」「PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~」「DOGMAN ドッグマン」
■サムネ画像は:映画「PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~」©2023映画「PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~」製作委員会 ■産経新聞の映画担当記者が試写会で見た4作品をレビューします。 ■「映画 マイホームヒーロー」 連続ドラマ化された人気コミック「マイホームヒーロー」のその後を描いた〝完結編〟だ。鳥栖哲雄(佐々木蔵之介)が娘の零花(齋藤飛鳥)の彼氏を殺し、罪を隠すため死体を山中に埋めてから7年。土砂崩れで死体が発見され、父親の罪を知らずに刑事になった零花が事件の真相を追い始める。殺人犯の父親と刑事となった娘の〝対決〟の行方は… ■「ゴールド・ボーイ…
「ポーカー・フェイス/裏切りのカード」「ドラえもん のび太の地球交響楽」「52ヘルツのクジラたち」「ARGYLLE/アーガイル」
■サムネ画像は:映画「ポーカー・フェイス/裏切りのカード」© 2022 Poker Face Film Holdings Pty Ltd ■産経新聞の映画担当記者が試写会で見た4作品をレビューします。 ■「ポーカー・フェイス/裏切りのカード」 オンライン・ポーカーゲームの開発で莫大な富を得た億万長者のジェイク(ラッセル・クロウ)。彼は、長らく疎遠だった幼なじみたちを自身の大邸宅に招待し、大金を賭けたポーカーゲームをしようと提案する。しかし、そこには、ある復讐のための手の込んだ仕掛けが隠されていた... ■「映画 ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー)」 ドラえもんとのび太たちは…
「落下の解剖学」「マダム・ウェブ」「コヴェナント/約束の救出」「ソウルメイト」
■サムネ画像は:映画「マダム・ウェブ」©&™2024MARVEL ■産経新聞の映画担当記者が試写会で見た4作品をレビューします。 ■「落下の解剖学」 人里離れた雪山の山荘で、男が転落死。当初、事故と思われたが不審な点も多く、ベストセラー作家で妻のサンドラ(ザンドラ・ヒュラー)に夫殺しの容疑がかけられる。裁判を通して、仲むつまじいとされた夫婦の間の隠された秘密や噓が暴露されていく。 ヒューマンサスペンス。事故か、自殺か、殺人か。現場に居合わせたのは、視覚障害者の11歳の息子だけ。いつの間にか観客も傍聴者の一人になって裁判の行方を追うとともに、サンドラの言動に翻弄されることになるだろう。 …
「瞳をとじて」「ボーはおそれている」「ネクスト・ゴール・ウィンズ」「ジェントルマン」
■サムネ画像は:映画「ネクスト・ゴール・ウィンズ」©2023 20th Century Studios. All Rights Reserved. ■産経新聞の映画担当記者が試写会で見た4作品をレビューします。 ■「瞳をとじて」 「ミツバチのささやき」のビクトル・エリセ監督による31年ぶりの新作長編。テーマは「記憶」だ。映画監督のミゲル(マノロ・ソロ)は、親友の主演俳優、フリオ(ホセ・コロナド)の失踪で映画製作が頓挫する。22年がたち、映画界から離れたミゲルは、フリオ失踪の謎を追うテレビ番組に出演。すると、「フリオに似た男がいる」との情報が寄せられ… ■「ボーはおそれている」 「ヘレデ…