第十六帖「関屋」 若き日の恋の後日談 空蝉との再会
■こちらの番組もお勧め『奥山景布子のイマドキの源氏物語』 小説家・文学博士の奥山景布子先生による講演をポッドキャストで。源氏物語の社会背景を現代用語で読み解き分かりやすく解説。 ・Spotifyで聴く(リンク) ・ApplePodcastで聴く(リンク) ・Amazon Musicで聴く(リンク) 第16帖の「関屋」は、第2帖の「帚木」と第3帖の「空蝉」に描かれた、光源氏若き日の恋の後日談です。二つの巻で、光源氏は17歳。ある受領の邸宅でたまたま同宿した人妻・空蝉と一夜の契りを結びました。ところが、彼女は高い矜持を持ち、彼女の弟・小君を味方に付けて迫る光源氏を拒み、蝉の抜け殻のような衣一つ…
第十五帖「蓬生」いちずに待ち続ける女の思いに心打たれる源氏
第15帖の「蓬生」は、光源氏26歳の須磨下向から、帰京後の29歳までにあたります。この巻が描くのは、貧困と孤独に耐えながら、愚直にも光源氏を待ち続けた末摘花の物語です。 末摘花は、第6帖で光源氏が18歳の時に出会った女君で、故常陸宮の姫という高貴な血統ですが、顔立ちが大変個性的で、特に鼻の先が赤いのが特徴です。そのため、植物のベニバナの別名をとって、光源氏は彼女を「末摘花」と呼んでいました。 光源氏が都から去ると、末摘花の生活は悪化の一途をたどりました。しかし、彼女は父から譲り受けた住まいを離れず、ひたすら源氏を待っていました‥ ■【この番組は‥】紫式部の研究者・山本淳子先生の解説と…
第十四帖「澪標」復権の光源氏に娘誕生 開ける運命
第14帖の澪標の巻は、光源氏28歳の冬に始まります。明石から帰京した光源氏は早速、父の故桐壺院の冥福を祈る法事を行い、人望を集めました。 翌年春、東宮が11歳で元服し、冷泉帝として即位しました。世間は桐壺院の末息子と見ていますが、実は光源氏と藤壺の秘密の息子です。桐壺院の遺言に随い、光源氏は内大臣となって新帝を支えました。 一方、明石の君は、明石の地で姫を出産し‥ ■【この番組は‥】紫式部の研究者・山本淳子先生の解説と、舞台朗読などで活躍されている斉藤由織さんの原文朗読でお伝えする、源氏物語を知るためのポッドキャストです。源氏物語の雅(みやび)な世界観とストーリーを堪能できます。令和6…
第十三帖「明石」亡父の愛と夢、亡母につながる縁、そして高まる恋心
第13帖の明石の巻は、光源氏27歳の春に始まります。須磨での光源氏の住まいが落雷に見舞われ、避難先に父・桐壺院の亡霊が現れました。「住吉の神に従いこの地を去れ」。父にそう命ぜられた光源氏は、翌朝、舟で明石に移ります。迎え取った明石の入道は豊かで、邸宅はまぶしいほどに豪華でした。 初夏、入道は娘・明石の君のことを語り、光源氏に嫁がせたいと願います。光源氏は彼女と文を通わせ、所柄に似合わない教養に驚き、惹かれていきます... ■【この番組は‥】紫式部の研究者・山本淳子先生の解説と、舞台朗読などで活躍されている斉藤由織さんの原文朗読でお伝えする、源氏物語を知るためのポッドキャストです。源氏物語…
第十二帖「須磨」失脚した源氏 流離の地で試練を乗り越え成長
第12帖の須磨の巻は、光源氏26歳の春に始まります。今上・朱雀帝の母で光源氏を憎む弘徽殿の大后と、その実家・右大臣一派の陰謀で、光源氏は朱雀帝に対する謀反の濡れ衣を着せられ、官位を剥奪されました。そのため光源氏は、さらに重い処罰の下る前に、都を出て須磨に引きこもりました。 須磨は寂しく、心の支えは都との文通ばかり。秋八月、荒涼とした夜長に、光源氏は涙を流します‥ ■【この番組は‥】紫式部の研究者・山本淳子先生の解説と、舞台朗読などで活躍されている斉藤由織さんの原文朗読でお伝えする、源氏物語を知るためのポッドキャストです。源氏物語の雅(みやび)な世界観とストーリーを堪能できます。令和6年の…
第十一帖「花散里」癒しを求め女のもとへ 変わる心変わらぬ心
第11帖の花散里の巻は、光源氏二十五歳の梅雨時の宵が舞台です。 麗景殿の女御とは、二年前に亡くなった桐壺院の妃で、御子も産まず、今は妹の花散里の君と2人で平安京・左京の住宅街に住む人でした。そして光源氏は、その花散里の君と、かつてかりそめの思いを交わしたことがありました‥ ■【この番組は‥】紫式部の研究者・山本淳子先生の解説と、舞台朗読などで活躍されている斉藤由織さんの原文朗読でお伝えする、源氏物語を知るためのポッドキャストです。源氏物語の雅(みやび)な世界観とストーリーを堪能できます。令和6年のNHK大河「光る君へ」の主人公は紫式部。ドラマの予習にも最適です。 ■山本淳子‥京都先端科学…
第十帖「賢木」大人の恋が終わり、危険な密会が露見
第十帖の賢木の巻は、光源氏23歳の秋に始まります。 晩秋、光源氏は、六条御息所が伊勢下向を前に、潔斎のために娘の斎宮と共に籠っている「野宮」を訪れました。二人は長年の愛執を振り返り、涙で和歌を詠み合い、別れました。 その冬、桐壷院が崩御しました。世はすっかり兄・朱雀帝の母である弘徽殿大后と、その父である右大臣一派の牛耳るところとなり、光源氏や左大臣は不遇な立場に追いやられました‥ ■【この番組は‥】紫式部の研究者・山本淳子先生の解説と、舞台朗読などで活躍されている斉藤由織さんの原文朗読でお伝えする、源氏物語を知るためのポッドキャストです。源氏物語の雅(みやび)な世界観とストーリーを堪能でき…
第九帖「葵 その2」葵上の死に悲嘆する源氏 若紫を妻に
前回、葵上は結婚十年にして男子を出産し、左大臣家は喜びに湧きました。光源氏も一安心するとともに、それまでは人形のように端正だった葵の上が出産によって見せた弱弱しさに、初めて心を惹かれます。しかし、出産の数日後、葵の上はまたも物の怪に取りつかれ、ついに亡くなってしまいます。光源氏は激しい喪失感に苛まれ、悲しみますが、それは彼ら夫婦の冷やかだった仲を知る周囲が不思議がるほどでした‥ ■【この番組は‥】紫式部の研究者・山本淳子先生の解説と、舞台朗読などで活躍されている斉藤由織さんの原文朗読でお伝えする、源氏物語を知るためのポッドキャストです。源氏物語の雅(みやび)な世界観とストーリーを堪能できま…
第九帖「葵 その1」車争いの屈辱 物の怪が葵上を襲う
光源氏22歳の年のことです。この時、既に桐壷帝は退位し、光源氏の兄・朱雀帝の御代となっています。外戚の右大臣家が勢力を伸ばす一方、左大臣家では、光源氏の正妻・葵上が懐妊し、喜びに沸きます。 折しも賀茂祭が行われ、前祭の御禊には光源氏も随行することになりました。光源氏の長年の愛人である六条御息所は、光源氏の姿見たさに、行列が通る一条通にやってきました。ところが、後から来た正妻・葵上の一行によって、公衆の前で愛人の立場を暴露されたばかりか、車を壊され、激しい屈辱を味わいます‥ ■【この番組は‥】紫式部の研究者・山本淳子先生の解説と、舞台朗読などで活躍されている斉藤由織さんの原文朗読でお伝えする…
第八帖「花宴」燃え上がる危険な恋は事件の予兆
光源氏は20歳。春らんまんの2月20日すぎ、内裏で紫宸殿の桜の宴がとり行われ、光源氏は漢詩や舞に際立った才を見せて讃嘆されます。宴の後、ほろ酔い加減の彼は弘徽殿(こきでん)に忍び込み、暗がりの中「朧月夜に似るものぞなき」と口づさみながらやってきた女君をとらえて、そのまま一夜の契りをかわします‥ ■【この番組は‥】紫式部の研究者・山本淳子先生の解説と、舞台朗読などで活躍されている斉藤由織さんの原文朗読でお伝えする、源氏物語を知るためのポッドキャストです。源氏物語の雅(みやび)な世界観とストーリーを堪能できます。令和6年のNHK大河「光る君へ」の主人公は紫式部。ドラマの予習にも最適です。 ■…